安全性
副作用(ジェノタイプ1を対象とした国内第3相臨床試験)
ジェノタイプ1のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者を対象にハーボニー配合錠の単独投与における有効性及び安全性を評価した国内第3相臨床試験において、157例中34例(21.7%)に副作用が認められました。主な副作用は、そう痒症5例(3.2%)、
悪心及び口内炎各4例(2.5%)等でした。(承認時)
重大な副作用として高血圧(頻度不明)、脳血管障害(頻度不明)※が報告されています。
なお、国内第3相臨床試験のハーボニー配合錠単独投与群において、有害事象による投与中止例は認められませんでした。
- 自発報告又は海外の臨床試験において報告された副作用は頻度不明とした。
副作用発現状況
安全性評価対象例数 | 157例 |
---|---|
副作用発現症例数 | 34例 |
副作用発現症例率 | 21.7% |
副作用名 | 副作用発現例数(%) |
---|---|
血液およびリンパ系障害 | 2(1.3%) |
貧血 | 2(1.3%) |
心臓障害 | 1(0.6%) |
心室性期外収縮 | 1(0.6%) |
眼障害 | 2(1.3%) |
結膜出血 | 1(0.6%) |
アレルギー性結膜炎 | 1(0.6%) |
硝子体浮遊物 | 1(0.6%) |
胃腸障害 | 14(8.9%) |
悪心 | 4(2.5%) |
口内炎 | 4(2.5%) |
便秘 | 3(1.9%) |
腹部不快感 | 3(1.9%) |
軟便 | 1(0.6%) |
口唇炎 | 1(0.6%) |
下痢 | 1(0.6%) |
腹部膨満 | 1(0.6%) |
歯周病 | 1(0.6%) |
一般・全身障害および 投与部位の状態 |
4(2.5%) |
倦怠感 | 1(0.6%) |
末梢性浮腫 | 1(0.6%) |
発熱 | 1(0.6%) |
口渇 | 1(0.6%) |
副作用名 | 副作用発現例数(%) |
---|---|
感染症および寄生虫症 | 1(0.6%) |
毛包炎 | 1(0.6%) |
臨床検査 | 1(0.6%) |
リパーゼ増加 | 1(0.6%) |
代謝および栄養障害 | 1(0.6%) |
高コレステロール血症 | 1(0.6%) |
神経系障害 | 3(1.9%) |
頭痛 | 3(1.9%) |
精神障害 | 1(0.6%) |
不眠症 | 1(0.6%) |
呼吸器、胸郭および 縦隔障害 |
1(0.6%) |
口腔咽頭痛 | 1(0.6%) |
皮膚および皮下組織障害 | 10(6.4%) |
そう痒症 | 5(3.2%) |
発疹 | 2(1.3%) |
湿疹 | 1(0.6%) |
皮膚反応 | 1(0.6%) |
脱毛症 | 1(0.6%) |
MedDRA/J version 17.0で集計
承認時社内集計
副作用(ジェノタイプ2を対象とした国内第3相臨床試験)
ジェノタイプ2のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者を対象にハーボニー配合錠単独投与およびソホスブビル・リバビリン併用投与の有効性及び安全性を評価した国内第3相臨床試験において、リバビリン適格のハーボニー配合錠投与群106例中17例(16.0%)、ソホスブビル・リバビリン併用投与群108例中45例(41.7%)、リバビリン不適格/不耐容のハーボニー配合錠投与群25例中4例(16.0%)に副作用が発現しました。主な副作用は、リバビリン適格のハーボニー配合錠投与群で頭痛5例(4.7%)、便秘4例(3.8%)、悪心3例(2.8%)等、ソホスブビル・リバビリン併用投与群で貧血24例(22.2%)、頭痛5例(4.6%)、倦怠感4例(3.7%)、溶血性貧血4例(3.7%)、そう痒症3例(2.8%)等、リバビリン不適格/不耐容のハーボニー配合錠投与群で頭痛1例(4.0%)、そう痒症1例(4.0%)、発疹1例(4.0%)、腎機能障害1例(4.0%)でした。
本試験において、重篤な副作用は認められませんでした。また、投与中止に至った副作用として、リバビリン適格のハーボニー配合錠投与群で1例(関節リウマチ悪化)が報告されました。
なお、治験薬と関連なしと判断されましたが、リバビリン適格のハーボニー配合錠投与群で1例(転倒による多発外傷)の死亡例が報告されています。
ジェノタイプ1型のC型慢性肝疾患※に対する使用成績調査の最終結果報告
ジェノタイプ1型のC型慢性肝疾患※に対する使用成績調査の最終結果報告がダウンロードいただけます。
- セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変
薬物動態
ハーボニー配合錠の健康成人における薬物動態
日本人健康成人被験者8例に、ハーボニー配合錠を空腹時に単回経口投与※したときのレジパスビル、ソホスブビル及びその主要代謝物であるGS-331007の薬物動態パラメータは以下のとおりでした。
血漿中レジパスビル、ソホスブビル及びGS-331007は、投与後約5.0時間、0.5時間及び2.5時間で最高濃度(Cmax)に到達し、消失半減期(t1/2)は50.0時間、0.38時間及び27.7時間でした。
日本人健康成人被験者にハーボニー配合錠を空腹時単回投与したときの薬物動態パラメータ
レジパスビル(n=8) | ソホスブビル(n=8) | GS-331007(n=8) | |
---|---|---|---|
Cmax(ng/mL)a | 421(49.0%) | 1,320(34.1%) | 877(35.8%) |
tmax(h)b | 5.00(5.00, 5.00) | 0.53(0.50, 2.10) | 2.50(1.00, 3.05) |
AUC0-inf(ng・h/mL)a | 14,000(53.6%) | 1,580(51.5%) | 12,100(29.8%) |
t1/2(h)b | 50.0(33.9, 62.3) | 0.38(0.35, 0.66) | 27.7(24.0, 48.6) |
a:平均値(CV%)、b:中央値(範囲)
- ハーボニー配合錠の用法・用量は「通常、成人には1日1回1錠(レジパスビルとして90mg及びソホスブビルとして400mg)を12週間経口投与する。」です。
社内資料:相対的バイオアベイラビリティ及び食事の影響を検討した試験(GS-US-337-0101)、
健康被験者における薬物動態試験(GS-US-334-0111)
ハーボニー配合錠の薬物動態に対する食事の影響(外国人データ)
外国人健康成人被験者29例に、ハーボニー配合錠を空腹時及び食後に単回経口投与したときのレジパスビル、ソホスブビル及びGS-331007の薬物動態パラメータは以下のとおりでした。
健康成人被験者にハーボニー配合錠を空腹時及び食後に単回投与したときの薬物動態パラメータ (外国人データ)
レジパスビル | ソホスブビル | GS-331007 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
空腹時(n=29) | 食後(n=29) | 空腹時(n=29) | 食後(n=29) | 空腹時(n=29) | 食後(n=29) | |
Cmax(ng/mL)a | 324(44.8%) | 255(25.9%) | 1,240(49.6%) | 1,350(42.5%) | 865(26.6%) | 600(22.9%) |
tmax(h)b | 4.50(4.50, 20.0) | 5.00(4.50, 10.0) | 1.00(0.25, 3.00) | 2.00(0.50, 4.50) | 3.50(2.00, 6.00) | 4.50(2.50, 8.00) |
AUC0-inf(ng・h/mL)a | 10,600(57.2%) | 9,220(36.1%) | 1,520(39.5%) | 2,570(34.0%) | 11,800(23.0%) | 12,900(18.5%) |
t1/2(h)b | 48.5(29.6, 117) | 44.9(23.5, 69.2) | 0.45(0.33, 0.75) | 0.55(0.37, 2.72) | 25.7(11.7, 36.8) | 29.0(16.8, 41.5) |
高脂肪食(約1,000 kcal、約50%脂肪)摂取時の結果
a:平均値(CV%)、b:中央値(範囲)
社内資料:相対的バイオアベイラビリティ及び食事の影響を検討した試験(GS-US-337-0101)