シュンレンカの臨床試験における薬剤耐性( GS-US-200-4625試験)(国内を含む海外データ)
社内資料:GS-US-200-4625 試験(承認時評価資料)
Ogbuagu O, et al.: Lancet HIV. 2023; 10(8): e497-e505.
本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。
著者にギリアド・サイエンシズ社より支援を受けている者、
ギリアド・サイエンシズ社の社員である者、
ギリアド・サイエンシズ社の株式を有している者が含まれます。
コホート1及び2に登録された72例のベースライン解析の一環として、シュンレンカに対する表現型分析を行い、登録時にシュンレンカ耐性に関連する変異を保有していた患者はいませんでした。
72例中22例(31%)の患者は、Week52の耐性解析の基準*を満たしたことから、シュンレンカ耐性に関連する変異が解析されました。
Week26までに、8例(11.1%)にシュンレンカ耐性に関連するカプシドタンパク変異が認められました。8例のうち6例(8.3%)にM66I変異が認められ、M66I単一又はN74D、Q67Q/H/K/N、K70K/N/R/S、T107T/C及びT107Aとの組み合わせでした。M66I変異が認められなかった2例中1例ではK70H、A105A/S/T及びT107T/N、1例ではQ67HとK70Rが認められました。
Week52までに9例(13%)にシュンレンカ耐性に関連するカプシドタンパク変異が認められました。Week26までに変異が認められた8例に加え、Week52に1例にQ67Q/H変異が認められました。
Week52までにシュンレンカ耐性に関連するカプシドタンパク変異が認められた9例は、シュンレンカ耐性発現のリスクが高く、4例はOBRに完全に有効な薬剤がなく、5例はOBR(DRV、DTG、FTC、TFV)へのアドヒアランスが不十分でした。
OBRを変更した2例及び変更しなかった2例の計4例は、シュンレンカ使用を維持しながら再抑制(HIV-1 RNA<50>50>
6例は、他の変異と共にM66I変異が認められ、シュンレンカに対する感受性は、野生型ウイルスと比較して平均460倍超の低下を示しました。K70H、Q67H+K 70R、Q67Q/Hのみの変異が各1例に認められ、シュンレンカに対する感受性はそれぞれ平均304倍(データポイントn=2)、14.8倍(データポイントn=1)、平均5.9倍(データポイントn=2)の低下を示しました。OBRの構成薬剤に対する耐性の出現は3例に認められ、ウイルス学的反応の喪失とは関連しませんでした。
- *ウイルス学的失敗の確定時点でHIV-1 RNA量が50 copies/mL以上(4週時点のウイルス学的効果不十分、最終来院時のウイルス学的リバウンド又はウイルス血症)
Week52時点までのカプシドタンパク変異発現例
コホート1 (n=36) |
コホート2 (n=36) |
全体 (N=72) |
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耐性解析集団 | 11 (31%) | 11 (31%) | 22 (31%) |
データ有り | 11 (31%) | 11 (31%) | 22 (31%) |
50 copies/mL未満に再抑制 | 4 (11%) | 5 (14%) | 9 (13%) |
最終耐性解析集団a | 7 (19%) | 6 (17%) | 13 (18%) |
データ有り | 7 (19%) | 6 (17%) | 13 (18%) |
カプシドタンパク変異発現ありb | 4 (11%) | 5 (14%) | 9 (13%) |
M66I | 4 (11%) | 2 (6%) | 6 (8%) |
Q67H/K/N | 1 (3%) | 4 (11%) | 5 (7%) |
K70H/N/R/S | 1 (3%) | 3 (8%) | 4 (6%) |
N74D/H | 3 (8%) | 0 | 3 (4%) |
A105S/T | 3 (8%) | 1 (3%) | 4 (6%) |
T107A/C/Nc | 1 (3%) | 4 (11%) | 5 (7%) |
カプシドタンパク変異発現なしc | 7 (19%) | 6 (17%) | 13 (18%) |
- aカプシドタンパク変異が発現していない状態でHIV-1 RNA量が50 copies/mL未満に再抑制された患者は、最終耐性解析集団から除外した。
- bカプシドタンパク変異を発現した9例のうち、死亡1例及び治験責任医師の判断による投与中止1例を除く患者7例が治療を継続した。
- c1例では、シュンレンカ感受性を失うことなくカプシドにT107A多型を発現した(野生型と比較したときの倍率変化:0.6)。他の1例では、カプシドにT107S多型を発現したが、シュンレンカ感受性に影響はなかった(野生型と比較したときの倍率変化:1.3)。これらの患者は、「カプシドタンパク変異発現なし」のカテゴリにカウントされるが、変異は「T107」の行に集計された。