311-1089試験(1089試験)(海外データ、国際共同治験)
エムトリシタビン/テノホビルDFを含むレジメンによりウイルス学的に抑制されている 成人HIV-1感染症患者
エムトリシタビン/テノホビルDF(FTC/TDF)+キードラッグによりウイルス学的に抑制されている 成人HIV-1感染症患者を対象とした、デシコビ配合錠への切り替えと前治療継続との比較試験
・Gilead社:社内資料 311-1089試験[承認時評価資料]
・Gallant JE. et al. : Lancet HIV. 3(4): e158-e165, 2016.
〔利益相反〕本研究はGilead社の資金により実施された。
試験概要
試験の概要は以下のとおりです。
ウイルス学的効果:FDA Snapshot解析(48週【主要評価項目】)
主要評価項目である投与48週時の血漿中HIV-1 RNA量が50 copies/mL未満でウイルス学的有効性が認められた患者の比率は、デシコビ投与群で94.3%、対照群で93.0%、有効率の差は1.3%(95%信頼区間:-2.5~5.1%)であり、事前に設定した非劣性の基準(95%信頼区間の下限が-10%を下回らない場合)を満たしたことから、デシコビ投与群は対照群に対し非劣性であることが示されました。
腎機能・骨代謝
(1)血清クレアチニン(Cr)値のベースラインからの変化(48週【副次評価項目】)
血清Cr値の48週時におけるベースラインからの変化は、デシコビ投与群で-0.08mg/dL、前治療継続群で-0.04mg/dLでした。
(2)尿中蛋白質/Cr比のベースラインからの変化(48週【副次評価項目】)
デシコビ投与群では、ベースラインから尿中総蛋白/Cr比、尿中アルブミン/Cr比、尿中RBP※1/Cr比、尿中β2MG※2/Cr比は低下していました。
(3)腰椎及び大腿骨頸部における骨密度のベースラインからの変化(48週【副次評価項目】)
投与48週時の腰椎における骨密度の変化率は、デシコビ投与群で1.53%、対照群で-0.21%でした。また、投与48週時の大腿骨頸部における骨密度の変化率は、デシコビ投与群で1.14%、対照群で-0.15%でした。
有害事象/臨床検査値異常
投与48週までの有害事象とその内訳及びグレード3又は4の臨床検査値異常を以下に示します。
(1)有害事象(48週【副次評価項目】)
(2)いずれかの群で5%以上発現した有害事象(48週【副次評価項目】)
(3)いずれかの群で1%以上発現したグレード3又は4の臨床検査値異常(48週【副次評価項目】)