安全性
並行群間比較期の有害事象および副作用の発現状況(安全性解析対象集団)
並行群間比較期において、有害事象はシュンレンカ群24例中9例(37.5%)、プラセボ群12例中3例(25.0%)に認められました。2例以上に発現した治験薬と関連ありと判断された有害事象として、シュンレンカ群2例(8.3%)に悪心が認められました。Grade
3以上の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象、死亡は認められませんでした。
臨床検査値異常は、シュンレンカ群18例(75.0%)、プラセボ群9例(75.0%)に認められました。Grade
3の臨床検査値異常は、シュンレンカ群の患者3例(12.5%)に発現し、クレアチニン増加、非空腹時の高血糖、リパーゼ増加でした。Grade 4の臨床検査値異常は認められませんでした。
Week52時点までの有害事象および副作用の発現状況(安全性解析対象集団)
Week52時点までの解析で、コホート1及び2において、有害事象は72例中69例(95.8%)に認められました。主な有害事象は、注射部位腫脹28例(38.9%)、注射部位疼痛27例(37.5%)及び注射部位紅斑24例(33.3%)でした。
治験薬と関連のある有害事象は、50例(69.4%)に認められました。主な治験薬と関連のある有害事象は、注射部位腫脹26例(36.1%)、注射部位紅斑及び注射部位疼痛が各22例(30.6%)、注射部位結節18例(25.0%)でした。
Grade 3以上の有害事象は、19例(26.4%)[コホート1:7例(19.4%)、コホート2:12例(33.3%)]に認められました。治験薬と関連ありと判断されたGrade 3以上の有害事象は、注射部位紅斑、注射部位疼痛及び注射部位腫脹が各2例、免疫再構築炎症反応症候群、腹部膿瘍及び発疹が各1例であり、腹部膿瘍の有害事象は、二次感染による注射部位の膿瘍であり、患者が注射部位を掻いたことが原因である可能性がありました。
重篤な有害事象は10例(13.9%)(コホート1:6例、コホート2:4例)に認められ、その内訳は、COVID-19が2例、肛門周囲痛・治癒不良及び肛門扁平上皮癌、膵腫瘤・腹痛・クロストリジウム・ディフィシレ感染及び狭心症、肺炎、浮動性めまい・悪性新生物、大腿骨頸部骨折、敗血症性ショック・腎機能障害及びショック、陰部単純ヘルペス、マイコプラズマ性肺炎・汎血球減少症・脱水・急性呼吸不全が各1例でしたが、いずれも治験薬との関連が認められませんでした。
投与中止に至った有害事象はGrade 1の注射部位結節1例(1.4%)に認められ、治験薬との関連があると判断されました。
死亡はコホート2で悪性新生物を発現した1例、低酸素血症性呼吸不全・肺炎を発現した1例に認められ、いずれも治験薬との関連は認められませんでした。
臨床検査値異常は、70例(97.2%)に認められました。Grade 3及びGrade 4の臨床検査値異常はそれぞれ18例(25.0%)、5例(6.9%)でした。2例以上で報告されたGrade
3以上の臨床検査値異常は、クレアチニンクリアランス又は推定糸球体濾過量の低下12例(16.7%)、クレアチニン増加9例(12.5%)、尿糖(ディップスティック法)4例(5.6%)、高血糖(空腹時)3例a( 5.3%)、高血糖(非空腹時)3例b( 4.6%)、尿蛋白(ディップスティック法)3例(4.2%)、ALT増加、AST増加、直接ビリルビン増加が各2例(2.8%)でした。これらの臨床検査値異常は、一過性のもの、ベースラインに戻ったもの、服用を中止せず改善したもの、又は糖尿病、アルコール乱用、ウイルス性肝炎のような基礎疾患に起因するものでした。
a 57例中
b 65例中
コホート1 | コホート2 (n=36) |
全体 (N=72) |
|||
---|---|---|---|---|---|
シュンレンカ群 (n=24) |
プラセボ群 (n=12) |
全体 (n=36) |
|||
全有害事象 | 22 (91.7%) |
12 (100.0%) |
34 (94.4%) |
35 (97.2%) |
69 (95.8%) |
5%以上に認められた有害事象 | |||||
注射部位腫脹 | 10 (41.7%) |
4 (33.3%) |
14 (38.9%) |
14 (38.9%) |
28 (38.9%) |
注射部位疼痛 | 11 (45.8%) |
3 (25.0%) |
14 (38.9%) |
13 (36.1%) |
27 (37.5%) |
注射部位紅斑 | 8 (33.3%) |
2 (16.7%) |
10 (27.8%) |
14 (38.9%) |
24 (33.3%) |
注射部位結節 | 10 (41.7%) |
4 (33.3%) |
14 (38.9%) |
6 (16.7%) |
20 (27.8%) |
注射部位硬結 | 2 (8.3%) |
0 |
2 (5.6%) |
9 (25.0%) |
11 (15.3%) |
下痢 | 4 (16.7%) |
2 (16.7%) |
6 (16.7%) |
4 (11.1%) |
10 (13.9%) |
悪心 | 6 (25.0%) |
1 (8.3%) |
7 (19.4%) |
3 (8.3%) |
10 (13.9%) |
COVID-19 | 3 (12.5%) |
1 (8.3%) |
4 (11.1%) |
5 (13.9%) |
9 (12.5%) |
便秘 | 4 (16.7%) |
2 (16.7%) |
6 (16.7%) |
3 (8.3%) |
9 (12.5%) |
咳嗽 | 3 (12.5%) |
3 (25.0%) |
6 (16.7%) |
2 (5.6%) |
8 (11.1%) |
発熱 | 1 (4.2%) |
2 (16.7%) |
3 (8.3%) |
5 (13.9%) |
8 (11.1%) |
腹部膨満 | 5 (20.8%) |
0 | 5 (13.9%) |
2 (5.6%) |
7 (9.7%) |
背部痛 | 2 (8.3%) |
1 (8.3%) |
3 (8.3%) |
4 (11.1%) |
7 (9.7%) |
頭痛 | 2 (8.3%) |
0 | 2 (5.6%) |
5 (13.9%) |
7 (9.7%) |
関節痛 | 4 (16.7%) |
0 | 4 (11.1%) |
2 (5.6%) |
6 (8.3%) |
発疹 | 2 (8.3%) |
0 | 2 (5.6%) |
4 (11.1%) |
6 (8.3%) |
尿路感染 | 2 (8.3%) |
0 | 2 (5.6%) |
4 (11.1%) |
6 (8.3%) |
浮動性めまい | 3 (12.5%) |
0 | 3 (8.3%) |
2 (5.6%) |
5 (6.9%) |
疲労 | 3 (12.5%) |
1 (8.3%) |
4 (11.1%) |
1 (2.8%) |
5 (6.9%) |
帯状疱疹 | 0 | 2 (16.7%) |
2 (5.6%) |
3 (8.3%) |
5 (6.9%) |
腹痛 | 1 (4.2%) |
1 (8.3%) |
2 (5.6%) |
2 (5.6%) |
4 (5.6%) |
注射部位掻痒感 | 2 (8.3%) |
0 | 2 (5.6%) |
2 (5.6%) |
4 (5.6%) |
不眠症 | 1 (4.2%) |
0 | 1 (2.8%) |
3 (8.3%) |
4 (5.6%) |
口腔カンジダ症 | 1 (4.2%) |
2 (16.7%) |
3 (8.3%) |
1 (2.8%) |
4 (5.6%) |
肺炎 | 1 (4.2%) |
2 (16.7%) |
3 (8.3%) |
1 (2.8%) |
4 (5.6%) |
嘔吐 | 1 (4.2%) |
0 | 1 (2.8%) |
3 (8.3%) |
4 (5.6%) |
体重増加 | 1 (4.2%) |
1 (8.3%) |
2 (5.6%) |
2 (5.6%) |
4 (5.6%) |
Grade 3以上の有害事象 | 4 (16.7%) |
3 (25.0%) |
7 (19.4%) |
12 (33.3%) |
19 (26.4%) |
Grade 2以上の有害事象 | 15 (62.5%) |
7 (58.3%) |
22 (61.1%) |
26 (72.2%) |
48 (66.7%) |
重篤な有害事象 | 3 (12.5%) |
3 (25.0%) |
6 (16.7%) |
4 (11.1%) |
10 (13.9%) |
副作用 | 17 (70.8%) |
6 (50.0%) |
23 (63.9%) |
27 (75.0%) |
50 (69.4%) |
Grade 3以上の副作用 | 0 | 0 | 0 | 5 (13.9%) |
5 (6.9%) |
Grade 2以上の副作用 | 7 (29.2%) |
3 (25.0%) |
10 (27.8%) |
12 (33.3%) |
22 (30.6%) |
重篤な副作用 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
投与中止に至った有害事象 | 1 (4.2%) |
0 | 1 (2.8%) |
0 | 1 (1.4%) |
試験中止に至った有害事象 | 1 (4.2%) |
0 | 1 (2.8%) |
2 (5.6%) |
3 (4.2%) |
全死亡 | 0 | 0 | 0 | 2 (5.6%) |
2 (2.8%) |
MedDRA Version 24.1
治療下で発現した有害事象は、シュンレンカ初回投与日以降に発現した有害事象と定義した。
シュンレンカの経口投与を中止した患者については、最終投与日から60日以内に収集された有害事象のみを治療中の発現とみなす。
治療下で発現した臨床検査値異常は、いずれかの時点で毒性Gradeがベースラインから少なくとも1段階悪化と定義した。
同一症例に複数の有害事象が発現した場合には、MedDRA基本語において最もGradeが高い有害事象のみを集計した。
重症度(Grade)は、Division of AIDS(DAIDS)Table for Grading the Severity of Adult and Pediatric Adverse Events(corrected Version 2.1, dated July 2017)に基づく。
死亡には、シュンレンカ初回投与日及びそれ以降に発生した死亡を含めた。