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ツルバダ配合錠 特別な配慮が必要な方へのPrEP

特別な配慮が必要な状況や⼈に対するPrEPの処⽅

妊娠もしくは授乳が必要となった場合

  • ⼥性・妊娠機能があるトランスジェンダー男性で、妊娠を希望する(コンドームなしの性交渉を⾏う)場合、ツルバダ配合錠によるデイリーPrEPを処⽅できます1
  • 妊娠中・授乳中⼥性で、HIV陽性パートナーのHIV-1ウイルス量が不明/検出限界値未満と記録できない場合、ツルバダ配合錠によるデイリーPrEPを処⽅できます1
  • ツルバダ配合錠の妊婦・授乳婦に関する注意2

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(⼀部抜粋)

9.5 妊婦
妊婦⼜は妊娠している可能性のある⼥性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移⾏が報告されている。

9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。エムトリシタビン及びテノホビルのヒト乳汁へのわずかな移⾏が報告されており,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を⽤いた動物実験(ラット)において,テノホビルの乳汁中への移⾏が報告されている。また,⼥性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に⺟乳を与えないことが望ましい。

B型慢性肝炎患者

  • ツルバダ配合錠に含まれるエムトリシタビン(FTC)とテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)は、HIV・HBV感染の両⽅に有効であるため、PrEP継続中のTDF耐性HBV感染および中⽌時のB型慢性肝炎の再燃に注意が必要です1,2
  • PrEP開始前の評価でHBs抗原が陽性となった場合、HBV感染症の専⾨医による評価が必要となります1
  • PrEP処⽅前および継続中は、6〜12ヵ⽉ごとにHBV-DNAの定量検査を⾏います1
  • HBV感染の再活性化を防ぎ、TDF耐性HBV感染の可能性リスクを最⼩限に抑えるために、ツルバダ配合錠によるデイリーPrEPのアドヒアランスが重要であることを⼗分に説明します1,2

B型慢性肝炎患者でツルバダ配合錠によるPrEPを中⽌する場合


1. 警告
B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中⽌により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には⼗分注意すること。特に⾮代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。[9.1.1 参照]

B型慢性肝炎患者がPrEPの中⽌を選択した場合、まずHBV感染の専⾨医による評価を受け、継続的なHBV治療の必要性を確認し、PrEPを中⽌した場合に⽣じる肝炎の再燃をモニタリングする必要があります1

慢性腎臓病患者

  • eCCr≧60mL/minの場合、ツルバダ配合錠によるデイリーPrEPを処⽅できます2
  • 腎機能が著しく低下していても、ツルバダ配合錠を減量してデイリーPrEPに使⽤することは推奨されません1,2

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(⼀部抜粋)

9.2 腎機能障害患者

9.2.1 中等度及び重度の腎機能障害のある患者

<効能共通>
エムトリシタビン及びテノホビルの⾎中濃度が上昇する。[7.3,8.1,10.2,11.1.1,16.6.1 参照]

<曝露前予防>
クレアチニンクリアランスが60mL/min未満の者への投与は推奨されない。[8.1,10.2,11.1.1 参照]

未成年

  • 18歳未満がデイリーPrEPを利⽤することについては、成⻑期の⾻密度の低下やその他の毒性が出現する可能性が指摘されています1
  • 未成年でPrEP処⽅の判断に悩む状況では、専⾨医の助⾔を求めることが推奨されます1
  • ⻘年期では、PrEP開始から1ヵ⽉後の診察以降、デイリーPrEPのアドヒアランスが低下することがわかっているため、より頻繁なモニタリングが必要となります1

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(⼀部抜粋)

9.7 ⼩児等
⼩児等を対象とした臨床試験は実施していない。

トランスジェンダー

  • トランスジェンダー(性⾃認や性表現が出⽣時の性別と異なる⼈)におけるPrEPの有効性などについて、⼗分なデータは得られていません1
  • PrEPでは、ホルモン療法や性別適合⼿術を受けていない⼈は出⽣時の性別と同じ条件になります3

トランスジェンダー⼥性(出⽣時に男性と割り当てられたが、性⾃認が⼥性)

  • トランスジェンダー⼥性はHIV感染リスクが⾼く、諸外国においてHIV感染の有病率が⾼いことがわかっています1
  • ⼥性ホルモン製剤の投与によるPrEPへの影響はまだわかっていませんが、トランスジェンダー⼥性ではデイリーPrEPを処⽅できます1

トランスジェンダー男性(出⽣時に⼥性と割り当てられたが、性⾃認が男性)

  • トランスジェンダー男性でも男性ホルモンへの影響は少ないため、PrEPを利⽤できます4
  • HIV感染予防のために、PrEPに関する情報提供を⾏うことが推奨されます1
  • 性別適合⼿術を受けていないトランスジェンダー男性では妊娠の可能性があるため、必要に応じて妊娠検査などを相談する必要があります1
  1. 令和2〜4年度厚⽣労働省科学研究費補助⾦(エイズ対策政策研究事業) 「HIV感染症の曝露前及び曝露後の予防投薬の提供体制の整備に資する研究」 研究分担者:⾕⼝俊⽂、 研究代表者:⽔島⼤輔.⽇本におけるHIV感染予防のための曝露前予防(PrEP)利⽤の⼿引き【第1版】.
    https://jaids.jp/wpsystem/wp-content/uploads/2023/10/tebiki-1Pver.pdf. 2024/07/17閲覧
  2. ツルバダ®配合錠 電⼦添⽂ 2024年8⽉改訂(第4版)
  3. 令和2〜4年度厚⽣労働省科学研究費補助⾦(エイズ対策政策研究事業) 「HIV感染症の曝露前及び曝露後の予防投薬の提供体制の整備に資する研究」 研究分担者:⽣島嗣、 研究代表者:⽔島⼤輔.⽇本におけるHIV感染予防のための曝露前予防(PrEP)<利⽤者ガイド> 第1版.
    https://jaids.jp/wpsystem/wp-content/uploads/2022/11/uder-guide-matome-1Pver.pdf. 2024/07/17閲覧
  4. Grant RM, et al.: Clin Infect Dis 2021; 73(7): e2117-e2123.
    著者にギリアド・サイエンシズ社より⽀援を受けている者が含まれます。

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