呼吸器疾患
COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者において、COVID-19の重症化及び死亡のリスク増加の検討が報告されています。
基礎疾患としてCOPDを有するCOVID-19患者のメタアナリシスでは、重症化率のリスク比は3.63[95%信頼区間:2.48-5.31]と有意な関連が認められました1)。(海外データ)
1)Rabbani G, et al. Expert Rev Respir Med. 2021 May;15(5):705-716. doi: 10.1080/17476348.2021.1866547.より作図
Pre-existing COPD is associated with an increased risk of mortality and severity in COVID-19: a rapid systematic review and meta-analysis, Rabbani G, et al, Expert review of respiratory medicine, 2021 May, Taylor & Francis, reprinted by permission of the publisher Informa UK Limited trading as Taylor & Francis Ltd, http://www.tandfonline.com.
また、死亡率のリスク比は3.18[95%信頼区間:2.11-4.80]、ハザード比は1.90[95%信頼区間:1.11-3.26]であり、死亡率の増加についても報告されました1)。(海外データ)
COVIREGI-JPにおいて、COPDを含む慢性呼吸器疾患は入院時のリスクであることが明らかになっています(オッズ比2.51[95%信頼区間:1.67-3.78]) 2)。
さらに入院時に非重症であっても、入院後に酸素投与や人工呼吸/ECMOを要したCOPDを含む慢性呼吸器疾患を有する患者は38.9%でした2)。
入院時に非重症であったCOPDを含む慢性呼吸器疾患を有する患者の経過 (36例)
2)Terada M et al. BMJ Open. 2021 Jun 15;11(6):e047007. doi: 10.1136/bmjopen-2020-047007.より作図
また、死亡率に関しても入院時の重症例・非重症例いずれにおいても慢性呼吸器疾患を有することで上昇することが認められています2)。
なお、COPD患者ではすでに治療薬を服用していることが考えられます。基礎疾患の治療とCOVID-19治療を同時に行う場合には、使用中の治療薬を確認することが必要です。
1)Rabbani G, et al. Expert Rev Respir Med. 2021 May;15(5):705-716. doi: 10.1080/17476348.2021.1866547.
2)Terada M et al. BMJ Open. 2021 Jun 15;11(6):e047007. doi: 10.1136/bmjopen-2020-047007.