免疫不全
固形臓器移植は米国CDCが重症化リスクの一つとして報告しています。
米国で実施された前向きコホート研究では、 COVID-19と診断された482例の移植患者において376例(78%)が入院し、入院例のうち117例(31%)が人工呼吸管理を必要としました。なお、77例が診断から28日までに死亡しました1)。(海外データ)
COVID-19と診断された移植患者の経過(482例 )
1)Kates OS et al. Clin Infect Dis. 2021 Dec 6;73(11):e4090-e4099. doi: 10.1093/cid/ciaa1097.より作図
また、免疫抑制状態の患者における報告としては、COVIREGI-JP研究において免疫抑制状態のCOVID-19入院患者の臨床的特徴と転帰について報告されています2)。
444施設から登録されたCOVID-19入院患者14,760例のうち887例が免疫抑制状態*でした2)。
入院時及び入院中に重症であった割合は、免疫抑制状態でない患者で24.1%(3,337例/13,873例)であったのに比べて、免疫抑制状態の患者では37.4%(332例/887例)と高くなっていました2)。
*:内訳:固形腫瘍384例(43.3%)、3カ月以内の化学療法138例(15.6%)、膠原病150例(16.9%)、免疫抑制剤の使用142例(16.0%)、転移性固形腫瘍120例(13.5%)など。
1)Kates OS et al. Clin Infect Dis. 2021 Dec 6;73(11):e4090-e4099. doi: 10.1093/cid/ciaa1097.
2)Nomoto H et al. J Infect Chemother. 2022 Feb;28(2):224-231. doi: 10.1016/j.jiac.2021.10.021. Epub 2021 Oct 28.